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Author:  宮 由紀江 & 春香
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Welcome to BLUE NOTE
No smoking 4 
2008/12/02 /18:30
俺の家は、学校から歩いて10分のところにあるマンションの3階だ。

俺は今そこで一人暮らしをしている。

高校生の分際で3LDKのマンションに一人暮らしなんて、生意気だと思われそうだが仕方ないのだ。

早くに母親を亡くしてからは、父一人子一人で生活していたのだが、

その父親が去年転勤になってしまったのだから。

最初はついて行こうかとも思ったのだけど、俺はその時今の高校に入学したばっかりで、

せっかく受かった高校を辞めるのはもったいなくて、父親に頼み込んでここに一人残ったのだ。

七瀬が俺の家に来たがるのは、俺が一人暮らしをしているからだ。

真っ直ぐ自分ん家に帰る気はないし、他の友人達は当然家族と暮らしているので、

気兼ねなく寛げるのはここだけ、ってところだろう。

しかもここは学校から近い。

そんなわけで、七瀬が俺の家に来て何をするかといえば、特に何もしないのだった。

大体はDVDを観たり、ゲームをしたり、マンガを読んだり…くだらないことを喋って過ごしている。

今日もリビングで、七瀬が床に胡座をかき、ソファを背もたれにしてTVを見る。

俺はソファに座り、本を読む。

遊び盛りの男二人が、合コンの誘いを断って、なんとも情けない時間の過ごし方をしている。

最近の俺達は、一緒に居る時間が長過ぎるような気がする。

このままでは、七瀬に俺の気持ちがばれるのも時間の問題のような気がして怖い。

ばれた時、どうなるんだろう?

あんまり考えたくないな、そんなこと…。

そんなこと、絶対あってはならないことなんだから。

そんなことを考えながら本を読んでいると、ふわりと白い筋のような煙が視界に入って来た。

「……よ〜し〜く〜ん?」

手に持っていた本で、七瀬の頭をバコッと叩いた。

「俺の家でタバコを吸うなっ!」

「ってぇ〜〜っ」

七瀬は叩かれた後頭部を片手で撫でながら、いつの間にか灰皿にしていた小皿に、

タバコを押し付けた。

「ったく、何度言ったらわかるんだ」

俺はクシャリと折れ曲がった、まだ長いタバコを小皿に乗せてダイニングへ向かった。

小皿を洗っていると、背中越しにぶつぶつと七瀬が何か文句を言っているのが耳に入ってきた。

「今度ここでタバコ吸ったら、出入り禁止にするからな!」

リビングまで聞こえるように大声で言うと、チェッとは聞こえたが、了承の返事は聞こえてこなかった。

「まったく……」

俺は溜息をついてリビングに戻り、読んでいた本を手にした。

最近、溜息の数が増えた気がする。

しかも、たいていが七瀬がらみで、だ。

溜息の数だけ幸せが逃げていくと、前に何かで聞いたことがあるけど、

それが本当なら俺…可哀想だ。

「あ、この映画もう公開なんだ」

七瀬の言葉に顔をあげると、七瀬の好きなハリウッド女優が出ている映画のCMが流れていた。

どうやらラブコメディらしい。

「来週からだって。観に行こうぜ」

「ヤだ。男二人で観に行く映画じゃないだろ?女の子と行けよ」

アクションものならともかく、ラブストーリーなんか七瀬と行ったら、空しくなるだけだ。

それに周りはどうせカップルか女の子同士に決まってる。

そんな中に男二人で入れるわけがない。

第一恥ずかしい。

「おんなぁ?めんどくせぇよ」

俺は七瀬のその言葉に驚いて、本を捲る手をとめた。

女の子にモテることが生きがいのヤツが、こんなことを言い出すなんて?!

やっぱり…熱があるんじゃないのか?

「言っとくけど、熱なんかねぇかんな」

七瀬は俺の顔を見てすぐさま、お前の考えなんかお見通しだ、と言わんばかりに言った。

「俺はただ、お前といるほうが楽しいから」



















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